最上階に転落

惨憺たる喜劇であれ

痛みと孤独を厭う人間に死ぬ権利は無い

シリーズもののBLが読み終わったので
今日の話をしようと思う
朝、11時起きると友達からラインに着信が入っていて
いくつかメッセージもきていた
きた時間を確認すると早朝で内容は今解離しているといったものだった
(解離、簡単に言えば多重人格のようなもので、いつもの人格じゃないと受け取って読んでほしい)
彼女はストレスで解離するので
大丈夫かという旨と今は誰なのかといったメッセージを送る
しばらくすると返事があり解離したままだというので
何かあったのか尋ねる
説明しにくそうにしているので自分と通話しても平気か聞き、通話する
解離した方の人格でも原因がわからないことと
日々の細々したストレスは分かっても
具体的な大きなストレスが分からないということが分かった。
そのまましばらく雑談していたが
私に通院の予定があったので、困ったらいつでもLINEしていいと告げ通話を終了する
そのままラインが来ることもなく通院を終え
病院の隣のファミレスでパンケーキを食べていた
思ったより遅くなったのでこのまま夕飯も食べてしまおうと
ガレットを追加で注文した後、彼女から着信があった
私は後一時間はここに居座るつもりだからちょうどいいなと思いそのまま出る
もしもし?今誰?
通話の内容はまだ解離していること、一ヶ月分の処方薬をすべて飲んだこと
旦那はしばらく帰ってこないこと
とりあえず私は病院に電話しなさいと伝え
この通話を切ったらすると言われたので
今通話しながら家電でかけなさいとお願いしたが
もうぜんぶ嫌だから消えちゃいたいのでしたくない、これは最後の挨拶のつもりなの
君はよくしてくれたから伝えようと思った
もしまた生きていたらまたね
それだけ言われて切られた
ガレットが届いた
どうしようかな、と思いながらガレットを食べる
初めて食べた、美味しかった。
ぶっちゃけたことを言うと私は死にたい人間は死ぬべきだと思う
死にたいのだからそうするべきだ、死ぬ権利があると思う
だから止めるのは尊厳を踏みにじることになると考えている
これは短大生の頃に同じように自殺前に人にちょっくら死んでくるわ!と伝えて大学に通報された私の考えだ
それからもうひとつ、私が今から彼女を助けようとするには
彼女の旦那に連絡を取るか遠隔で救急隊を呼ぶかで
彼女の旦那の連絡先は知らない
住所は家に帰れば分かるが今は分からない
どちらにしろ(Twitterは長年使ったハンネを変えて転生して、2年続けたブログを捨ててそこまでしてでも関わりたくない)彼女と同じ県に住む元フォロワーに連絡をとらなければならなかった
困ったわと思ったので困ったわとツイートした
ガレットの写真を撮る前に食べてしまったことに気づいた
私のやりたくないこと(元フォロワーに連絡したくないこと)と私の思想(死ぬ権利がある)だけを考えるなら放置が一番よかった
ただ、仮に死んだとして連絡を受けていたのになにもしなかったのかと糾弾される(主に友達の旦那に)ことが嫌だった
(大学の友達もそういう気持ちだったのかもしれない、ごめん)
そもそも人間は向精神薬眠剤を一ヶ月分飲んでも死なないだろう
分かっていた
でもゲロをつまらせれば死ぬし
ODで死なないにしても治療はした方がいいに決まっている
しばらく帰ってこないらしい旦那のしばらくがどのくらいなのかは分からなかったが
旦那の帰りを待つより、私が対処した方が早いに決まってる
つまり元フォロワーにはやく連絡して旦那の連絡先なり住所なりを聞いた方がいいのだ
嫌だなぁーと思いながら
モッツァレラチーズを食べる、バジルソースがかかっていておいしい
別にラインはブロックしていないのにアカウントを消してもなにも言ってこないことから
元フォロワーは私のことをなんとも思ってないことが明白だったが
私的には気まずいしそもそも関わりたくなくてアカウントを消してるのに
自分から連絡しなくちゃいけないのだ
もう一度放置しようかなと思う
やっぱり糾弾されるのは嫌だなぁという気持ちになった
でも死ぬのを邪魔するのもなぁと思いながら
上に乗っている野菜をすべて食べる
そして彼女からの通話を思い出す
そもそも致死性の低いODを選んでいること
私に連絡してきたこと
生きていたらまたねという未来を少しでも想定していることから
これはヘルプコールだな!と思うことにした
ここ最近の彼女との会話から察するに
死にたいわけではなくて旦那に自分が苦しんでることを知らしめたくて
ついでに入院かなんかして休憩したくて
そのための手段としてのODと私への連絡なんだろうと
そうならば助けないわけにはいかないなと
気合いをいれるためにツイートした
生地は穀物っぽい味がした、クレープより甘くなくてスモークサーモンと合う
そう、これは演出だ
主に友達の旦那に向けて
あなたの嫁の友達はあなたの嫁の命を守りますよっていう
くっだらねぇ
常々思っていたが精神疾患の人間で交遊関係をつくると俺より(精神面で)大人には出会えないのかもしれない
生きてきた年数では大人になれないのだな
そんな悪態をつきながら元フォロワーに連絡する
何度か連絡してやっと繋がる
残念ながら元フォロワーも旦那の連絡先は知らなかったので
住所を聞く
お礼をいいながらガレットを食べ終える
紅茶を飲み干してから
会計に向かい、ごちそうさまを言いながら店を出る
遠隔で県外の救急隊を呼ぶ方法が分からなかったので
まあ邪険にはされないだろうと119番にかける
初めてだったのでちょっとテンションが上がった
丁寧に県外の救急連絡先を教えてもらい終話する
改めて県外の救急連絡先にかける
ODしたと友達から連絡があったこと
自分は長野に住んでいて様子を見に行けないこと
友達の住所、電話番号なんかを伝えながら
救急車を派遣してくれるらしいことになった
また連絡するかもしれないと言われ一旦終話する
バスを待っていたので
できればバスが来る前に救急車に乗せましたよという連絡が来るといいなと思った
バスと電話どちらも待ちながらTwitterを開いたりBLを読んだりする
割りとすぐに連絡が来て
彼女の携帯に繋がるようになったから貴方から連絡してくれないか、という
さっきまでは呼び出し音が鳴らなかったので
繋がるようになったということは電源が入ったということだ
何回か着拒されたのでラインの方がいいのかな?と思いラインでメッセージを送る
めちゃくちゃいいシリーズもののBLをみつけたのでそれを読みながら
返信を待っていると救急隊から電話がきた
家にいるかの確認と
いるなら家の鍵を開けるように頼んでほしいというので
いや、そりゃいるやろと思いながら
追加でメッセージを送る
するとすぐに既読がつき意識が朦朧としているんだろうなという感じの返信がきた
返信がめちゃくちゃ遅いので
とりあえず救急隊を呼んだこと
家の鍵を開けてほしいこと
もし電話できるならかけてきてほしいこと
をメッセージで送る
既読はすぐつくのに返信がないので開いたまま意識がないのかな?と思いながら
これ以上私に出来ることってないしな…とBLを読むことを再開する
と、救急隊から本人に会えたことが伝えられたので
お礼を言って、通話を切る
バス、あまりにも遅いなと時刻表を見ると
なんと最終バスは停留所が変更になるらしく私は歩いて最寄り駅まで行かなくてはならないようだった
幸いモバイルバッテリーを持っているのでスマホの充電は気にしなくて良かった
少々肌寒いなと思いながら私は最寄り駅まで歩くのだった

終わり